世界のマッサージをめぐる旅—第9回 バンブーセラピー

竹の温もりとともに、世界へ広がったマッサージ
バンブーセラピーは、温めた竹を使って筋肉をほぐし、身体の緊張を和らげるマッサージ技法です。
竹の滑らかな表面を身体に沿って転がしたり、ゆっくりと滑らせたりすることで、手によるマッサージとは異なる心地よい刺激を与えます。
竹は古くからアジアの人々の暮らしに深く根づいてきた植物ですが、現在、世界各地のスパで行われているバンブーマッサージには、比較的新しい発展の歴史があります。
今回は、竹と人々の暮らしとの関わりから、現代のバンブーマッサージが生まれた背景、そしてその特徴をご紹介します。
バンブーセラピーの特徴
バンブーセラピーでは、表面を滑らかに加工した竹を温め、セラピストが手に持って施術します。
使用する竹にはさまざまな長さや太さがあり、背中や脚などの大きな筋肉には太めの竹を、細かな部分には小さな竹を使うなど、身体の部位に合わせて使い分けます。
竹の丸みを利用することで、広い範囲の筋肉に均等に圧を加えやすく、滑らかで連続した動きを生み出すことができます。
また、温めた竹が身体に触れることで、適度な圧とともにじんわりとした温かさが伝わり、心地よいリラクゼーションへと導きます。
アジアの暮らしに根づいてきた竹
竹は、中国、日本、東南アジアをはじめ、古くからさまざまな地域で利用されてきました。
中国では紙が普及する以前、文字を記録するための竹簡が使われていました。日本でも建築や工芸、日用品などに幅広く利用され、生活に欠かせない素材のひとつでした。
竹は成長が早く、丈夫でありながら適度なしなやかさを持っています。その特性から、道具や家具だけでなく、人の身体を支えたり、動きを補助したりする用途にも使われてきました。
アジア各地には、竹や木製の棒などを身体に当て、圧を加えたり、筋肉を刺激したりする施術も見られます。
ただし、こうした伝統的な身体のケアが、現在のバンブーマッサージへ直接つながっているかどうかは、明確にはわかっていません。
現代のバンブーマッサージの誕生
現代のバンブーマッサージの発展に貢献した人物のひとりが、アメリカで活動していたマッサージセラピスト、ナタリー・セシリア(Nathalie Cecilia)です。
2004年頃、彼女はディープティシューマッサージを日常的に行っていました。
ディープティシューマッサージは、筋肉の深い部分にゆっくりと圧を加える施術ですが、セラピストにとっては手や指、手首に大きな負担がかかることもあります。
彼女も施術を続ける中で手への負担を感じ、何か別の方法はないかと考えていました。
そこで着目したのが、タイ式マッサージで身体を支えるために使っていた竹の棒でした。
竹を筋肉に圧を加える道具として利用してみたところ、手への負担を軽減しながら、しっかりとした圧を伝えられることに気づいたといいます。
この経験をきっかけに、竹や籐を使ったさまざまな道具を試しながら、約2年にわたって施術方法を研究しました。
その中で、竹を温めることや、身体の上を滑らせたり転がしたりする動きを取り入れ、スウェーデン式マッサージやディープティシューマッサージの技法と組み合わせていきました。
こうして生まれたのが、「Bamboo-Fusion®」と呼ばれるマッサージ技法です。
Bamboo Fusionは竹を使ったマッサージの唯一の起源ではありませんが、現代のスパでバンブーマッサージが広まるうえで、重要な役割を果たした技法のひとつです。
世界各地のスパへ
現在では、竹を使ったマッサージはアメリカだけでなく、ヨーロッパやアジアなど、世界各地のスパでも取り入れられています。
タイのホテルスパでも、温めた竹を使ったホットバンブーマッサージが紹介されてきました。
施術方法は施設によって異なり、温めた竹を使うもの、オイルと組み合わせるもの、筋肉の深い部分への圧を重視するものなど、さまざまなスタイルがあります。
古くから身近な生活素材として利用されてきた竹が、現代ではリラクゼーションのための道具としても世界に広がっているのです。
このような方におすすめです
バンブーセラピーは、背中や肩、脚などの筋肉の張りが気になる方や、普段のマッサージとは少し違った刺激を体験してみたい方に向いています。
また、温かさを感じながら、ゆっくりと身体を休めたい方にもおすすめです。
竹による圧の感じ方は、手によるマッサージとは異なります。施術中に圧が強すぎると感じた場合は、我慢せずセラピストに伝えましょう。
マンダラスパのバンブーセラピー
マンダラスパでは、お受けになるマッサージの施術時間内にバンブーセラピーを組み込めるアップグレードをご用意しています。
エッセンシャルオイルがしみ込んだ温かい竹を使い、筋肉をほぐしながら身体の緊張を和らげていきます。
独立したトリートメントではなく、お選びいただいたマッサージの施術時間内に組み込まれるため、いつものマッサージに竹ならではの温もりと刺激を加えることができます。
自然の素材が生み出す、新しい心地よさ
セラピストの手への負担を軽減する工夫から生まれた現代のバンブーマッサージ。
滑らかな竹の感触と、じんわりと伝わる温かさが、普段のマッサージとはひと味違う心地よさを生み出します。
いつものマッサージに少し違ったリラクゼーションを加えるバンブーセラピー。
その体験も、旅の思い出のひとつになるかもしれません。
