世界のマッサージをめぐる旅 - 第1回スウェーデン式マッサージ

19世紀のヨーロッパから世界へ広がったマッサージ
世界には、その土地の歴史や文化の中で育まれてきた、さまざまなマッサージがあります。
このシリーズでは、現在マンダラスパで提供している代表的なマッサージを取り上げ、その特徴やどのような方に向いているのか、そして歴史的な背景をご紹介します。
第1回は、世界各地のホテルやスパで広く親しまれている、スウェーデン式マッサージです。
スウェーデン式マッサージとは
スウェーデン式マッサージでは、一般にオイルやローションを使用します。
施術者の手を肌の上で長く滑らせる動きを中心に、筋肉を揉みほぐしたり、適度な圧を加えたりしながら、身体の広い範囲へゆっくりと働きかけます。
長く滑らかな動きが生み出す、ゆったりとしたリズムが特徴です。筋肉の張りが気になる場所には少ししっかりとした圧を加えるなど、希望やその日の身体の状態に合わせて施術します。
自分に合った「心地よい圧」
スウェーデン式マッサージは、必ずしも軽い圧だけで行うものではありません。ゆっくりと休みたいときには軽めの圧で、筋肉の張りが気になるときには少ししっかりとした圧で施術することもできます。
ただし、マッサージは強ければ強いほど効果が高まるわけではありません。思わず息を止めたり、身体に力が入ったりする場合は、圧が強すぎる可能性があります。
自然に呼吸を続けながら、身体の力を抜いて受けられることが、自分に合った圧を見つける一つの目安です。施術中に圧が合わないと感じたときは、我慢せずセラピストへお伝えください。
このような方におすすめです
スウェーデン式マッサージは、初めてスパでマッサージを受ける方や、強い刺激が苦手な方にも選びやすい施術です。
身体全体に疲れを感じている方、旅行中にゆっくりと休みたい方、日常生活や運動で疲れた筋肉をほぐしたい方にも向いています。
穏やかなリラクゼーションから筋肉のケアまで、幅広い目的に合わせられることが、スウェーデン式マッサージの魅力です。
マンダラスパで体験するスウェーデン式マッサージ
マンダラスパのスウェーデン式マッサージは、お客様の好みやその日の身体の状態に合わせて施術いたします。
ゆっくりとリラックスしたい、筋肉の張りが気になるなど、施術の目的やご希望がありましたら、セラピストへお伝えください。
マンダラスパのスウェーデン式マッサージには、頭皮のマッサージと足の保湿トリートメントも含まれています。
全身をゆっくりと休ませながら、頭から足元まで心地よい時間をお過ごしいただけます。
世界で親しまれているスウェーデン式マッサージ
ここまで、スウェーデン式マッサージの特徴や、自分に合った圧の見つけ方についてご紹介してきました。
現在では、スウェーデン式マッサージは世界各地のホテルやスパで受けられる、代表的なマッサージの一つです。
日本では「スウェーデン式マッサージ」という名称よりも、アロママッサージやオイルマッサージの方がなじみ深いかもしれません。それらの施術にも、スウェーデン式マッサージの手技や考え方が取り入れられていることがあります。
では、これほど世界に広まったスウェーデン式マッサージは、いつ、どのように生まれたのでしょうか。ここからは、その歴史をたどってみましょう。
始まりは19世紀のスウェーデン
スウェーデン式マッサージの歴史をたどると、19世紀のスウェーデンへ行き着きます。
当時のヨーロッパでは、身体を動かすことや、手を使って身体に働きかけることを、健康の維持や身体機能の回復に役立てようとする研究が進んでいました。
その中で大きな役割を果たしたのが、スウェーデンのペール・ヘンリック・リングです。
リングは、体操や運動、身体への手技などを組み合わせた体系をつくり、1813年にはストックホルムに体操指導者を育成するための学校を設立しました。
ただし、現在のスウェーデン式マッサージをリングが一人で完成させたわけではありません。
リングが発展させたのは、マッサージだけでなく、運動や体操を含む幅広い身体活動の体系でした。その考え方が、後のマッサージや理学療法の発展にも影響を与えたと考えられています。
一人の発明ではなく、ヨーロッパで育ったマッサージ
リングがスウェーデンで身体運動の体系を発展させたあと、ヨーロッパ各地の医師や施術者が、手による身体への働きかけを研究し、さまざまな手技を整理していきました。
その一人が、オランダの医師ヨハン・ゲオルグ・メズガーです。
メズガーは、長く滑らせる、揉む、こする、リズミカルに叩くといった手技を整理し、医療の分野でもマッサージを広めていきました。 このように、スウェーデンで生まれた身体運動の考え方と、ヨーロッパ各地で発展した手による施術が重なり合い、現在のスウェーデン式マッサージの基礎が形づくられていきました
運動と身体の研究から生まれた考え方
現在では、スウェーデン式マッサージはリラクゼーションを目的として受けるもの、という印象が強くなっています。
しかし、その背景には、身体の構造や動きについて理解し、運動や手による施術を身体の健康に役立てようとした人々の研究がありました。
身体は、筋肉だけが別々に動いているわけではありません。筋肉や関節、神経などが互いに関わりながら、一つの動作をつくっています。
そのため、身体の一部分だけを力任せに押すのではなく、広い範囲に触れながら、身体全体の状態を見ていくという考え方が大切にされるようになりました。
この考え方は、現在のスウェーデン式マッサージにも受け継がれています。
ヨーロッパからアメリカへ
19世紀半ばになると、スウェーデンで発展した運動や身体への施術の考え方は、海を渡ってアメリカにも伝えられました。
アメリカの医師であったチャールズ・テイラーとジョージ・テイラーの兄弟は、ヨーロッパでスウェーデン式の身体運動について学び、1850年代にニューヨークでその方法を紹介しました。
兄弟は、運動やマッサージを取り入れた施設を開き、身体の健康を保つ方法として広めていきました。
1860年には、ジョージ・テイラーがスウェーデン式の身体運動についてまとめた本を出版しています。
その後、こうした考え方はアメリカの医療や身体教育にも取り入れられ、時代とともにホテルやスパ、ウェルネス施設などへ広がっていきました。
世界中のスパで受けられるマッサージへ
スウェーデン式マッサージは、ヨーロッパからアメリカへ伝わり、さらに世界各地へと広がりました。
受ける方の希望や身体の状態に合わせて圧を調整しやすく、身体の広い範囲へ滑らかに働きかけられることも、世界中で親しまれてきた理由の一つと考えられます。
穏やかに休みたい方から、筋肉の疲れが気になる方まで幅広く受けられるマッサージとして、現在では世界各地のホテルやスパで提供されています。
その日の自分に合った心地よさを
スウェーデン式マッサージは、19世紀のヨーロッパで育まれた身体への考え方を背景に、アメリカへ渡り、世界各地へ広がっていきました。
長く滑らかな手の動きと、希望に合わせて調整できる圧は、現在も世界中のスパで多くの方に親しまれています。
軽い圧で深く安らげる日もあれば、少ししっかりとした圧が心地よい日もあります。
大切なのは、強い圧に耐えることではなく、自分の身体が安心して受け入れられる圧を見つけることです。
世界のマッサージをめぐる旅は、スウェーデン式マッサージの穏やかな心地よさから始まります。
